日本のお葬式について

日本の葬法は、すでに縄文時代にも埋葬が行われていたことが考古学上立証されているように土葬が基本形であったことはよく知られています。

日本において仏教は、その定着化の過程のなかで、在来の民間信仰に意味付けを与えて、積極的に仏教体系のなかに組み入れてきたといえます。

葬送儀礼は、中世以降、積極的に仏僧が葬儀に関与したために、仏教葬が基本的葬法となり、先祖供養の習俗が一般化して今日に至っています。

生のなかに死を見つめ、死のなかに生を感ずる循環的な死生観が日本の祖先崇拝の精神風土に根付いていったのです。

昨今、価値観の多様化、個人主義、核家族化の進行、地域社会の崩壊とともにお葬式が、地域共同体主体からの家族主体に変わってきました。

かつては、地域社会の慣習を基本に葬儀を進め、祭壇の大きさでその弔う気持ちを表わしていたが、今は、「故人らしさ」「その人らしさ」を何らか表現することにより、故人への想いの深さを測っているようです。

さらにこれから、高齢者世帯の増加、少子化、非婚化などで、お葬式の主体たる家族が変化していくならば、お葬式の多様化は、ますます強まると考えられます。

「お葬式は遺された者が死者を弔うために行うもの」というのが、過去からこれまでのお葬式の概念でしたが、「お葬式は自分の死に際して、自分がこの世と別れるために行われるもの」「自分らしく生きて、自分らしく死ぬ」という新しい概念が、近年、広まってきています。